マクベス

 

こんにちは。

最近読んだいくつかの本に、シェイクスピア著の『マクベス』をオマージュした表現があり、原作に興味を抱き、初めてマクベスを読んでみました。

 

そしたらなんと!2013年12月7日〜2014年1月27日まで公演されていた『JOHNNYS' 2020 World』、通称『トニトニ』でふまけんが一部マクベスを演じていたんですね!しかもその配役がエッモーショナー!!!(emotional)だったので、Twitterで呟いた内容を備忘録代わりに以下に記しておこうと思います。

ちなみにトニトニは観劇してないので、100%想像と深読みです。笑 ごめんなさい。笑

 

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マクベス(新潮文庫)を読んでるんだけど、血腥い悪役のマクベスをケンティに、清廉潔白で情深いマルカムを風磨くんに配役してくれたジャニーさん素敵。

だって、悪役を演じるケンティはゾワゾワして大好きなんだもの!!!

そして、父ダンカン王譲りの清く正しい人柄の持ち主マルカムを、当時最高潮に反抗期だった風磨くんに配役してくれるなんて…素敵…!!

 

ここから先は、原作のマクベスを健人くん、風磨くんに照らし合わせながら、思う存分、私の深読みをぶちまけたいと思います!

マクベスの原作を説明した部分は赤で書いていきます。

 

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マクベスは自分の理想(王位奪取)の為に人徳ある家臣ダンカン王を暗殺し王位奪取、その後自分に謀反を起こしそうな人を次々と暗殺していくが、徐々に自分が殺した相手の幻影に苛まれていく。
もしやこれはジャニーさんからアイドルサイボーグ健人くんへの裏メッセージ?(いや、深読みだけど)

健人くんは自分のアイドルとしての理想を実現する為に自身に内在する『もう1人の自分』を殺してないか?自身が殺した『もう1人の自分』の幻影に苛まれはしないか?理想を追うあまりマクベスの様に知らず知らずのうちに自滅の道を進んでいないか?っていう裏メッセージだったりして!深読みだけど!!!

原作のマクベスは他者を殺すことにより理想(王位奪取)を実現していくんだけど、健人くんは自身を殺すことにより理想(のアイドル像)を実現しようとしてないか。そして理想を追うあまり無理し続ける健人くんを止める、つまり暴走したマクベスを止めるのが風磨くん!最高!

 

そして、風磨くんにマルカム(新潮文庫ではマルコム)を配役してくれたことに泣ける。

マルカムは父ダンカン王譲りの清廉潔白で情け深い人柄。しかし若さ故に自分に濡れ衣を着せようとしてる人を見抜けず、悪意ある者に濡れ衣を着せられてしまう。汚い手を使うことができず、マルカムの立場は窮地に追いやられていく。

ほら!10代の風磨くんを表してる!!真っ直ぐで周りの人を大切に思う人柄、若くて反抗期で綺麗事が言えなかったが故に言葉のナイフを向けられていた当時の風磨くんみたい…あぁ、泣く…!!

最終的に、マルカム陣は劣勢と思われた戦いを、機転を利かせた戦術と話術でマクベスを打ち破る。

ほら、風磨くんみたい!!知の力で劣勢を覆す風磨くんそのもの。

 

(補足:マクベス陣vsマルカム陣は原作の通りだけど、原作中で実際にマクベスに剣を突き刺したのはマルカム陣のマグダフという人物。トニトニではその辺割愛したんだと思う。‪一応原作の設定も書いておきます。)

 

トニトニではマクベス(健人くん)を殺したのは勝利くんなので、原作を尊重していると同時に、勝利くんもアイドルサイボーグ健人くんが身を滅ぼす前に止めたい心情が投影されてる。(はい、深読みです!)

 

健人くん、風磨くんのどちらが勝ったかは重要ではない。マクベスとマルカムの心情が当時のふまけんに投影できることが、エッモーショナー!(emotional)

 

そして当時、陽の立ち位置にあった健人くんに陰の役を、陰の立ち位置にあった風磨くんに陽の役を配置したことが素晴らしい。

 

マクベスの作中で魔女が唱える有名な言葉、

『きれいは穢い(きたない)、

           穢い(きたない)は綺麗』

原文『Fair is foul, and foul is fair. 』

これを、トニトニのたった一部分ですべて表現されていて素晴らしい。

 

あー考察と深読み楽しかった!

 

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補足。

マクベスは元々は忠誠心‬の強い優秀な武将だった。でも魔女に唆されて王位を狙うなら今しかない!とダンカン王を殺めてしまう。

でもマクベスは生来良い人だから、自分が殺めた人々を忘れられなくて、幻影に怯え続けてしまう。根は決して悪い人ではないんですね。

そして、新潮文庫の解題によると、史実を追うとマクベスがダンカン王を奪取する正当な理由があるそうです。

 

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『Fair is foul, and foul is fair(フェアはファウルでファウルはフェア)』は訳が諸説あり、訳された方によって表現が異なるそうです。新潮は初心者でも読みやすいそうなので私は新潮文庫で読みました。‬

 

代表的な訳を載せておきます。

 

福田恒存訳(新潮文庫

『きれいは穢い、穢いはきれい』

 

小田島雄志訳(白水Uブックス)

『いいは悪いで、悪いはいい』

 

木下順二訳(岩波文庫

『輝く光は深い闇よ、深い闇は輝く光よ』

 

松岡和子訳(ちくま文庫

きれいは汚い、汚いはきれい。

 

安西徹雄訳(光文社古典新訳文庫

晴々しいなら 禍々しい、 禍々しいなら 晴々しい

 

河合祥一郎訳(角川文庫)

きれいは汚い。汚いはきれい。